リニア残土処分場候補地に”貴重な野鳥” 計画変更求め要望書

御嵩町に計画されているリニア中央新幹線の残土処分場の候補地に絶滅危惧種の貴重な野鳥が生息しているとして、日本野鳥の会は計画の変更を求める要望書をJR東海や町などに提出しました。

JR東海はリニア中央新幹線の御嵩町にある工区のトンネル工事で発生する土の処分場を建設したいとして町と協議を進めています。
こうした中、日本野鳥の会は3日、岐阜県庁で記者会見し、JR東海や御嵩町、岐阜県、環境省などに対し、計画の変更を求める要望書を提出したことを明らかにしました。
会によりますと処分場の候補地には絶滅危惧種でタカの仲間のサシバやサギの仲間のミゾゴイなどあわせて18種類の貴重な野鳥が生息しているということで、生態系を守る必要があるとしています。
日本野鳥の会の大畑孝二さんは、「計画が進めば、鳥が巣を作る木や餌をとる場所がなくなる懸念があります」と話していました。
候補地を取り囲むエリアには、ハナノキなどの希少な植物が群生し開発への配慮が求められる環境省の「重要湿地」にも指定されていて、環境への影響を懸念する声が上がっています。
渡辺幸伸町長は「住民との合意を持ってJRとの交渉にのぞむ」としていて、8月から懇談会などで住民の意見を聞くことにしています。