難病のALS “海外で承認の薬を国内でも” 患者団体が訴え
海外で承認されている難病のALS=筋萎縮性側索硬化症の薬について、患者団体は11日、国内での早期の承認を求める約1万人の署名を国に提出しました。
ALSは全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病で、根本的な治療法は見つかっていません。
国内では症状の進行を抑制する2種類の薬が承認されていますが、アメリカとカナダでは、去年9月までに「レリブリオ」という新たな薬も承認されています。
ALSの患者団体は11日午後、厚生労働省を訪れ、国内でも「レリブリオ」を早期に承認し、治療の選択肢を広げるよう求める約1万人の署名を担当者に手渡しました。
患者団体は、承認の手続きを早めるため、新型コロナウイルスのワクチンなどで適用された「特例承認」や「緊急承認」の制度を活用することを要望しています。
また、国内で治験が行われているALSの進行を抑えるための薬についても、中間段階で安全性と有効性が評価されたものは使えるようにしてほしいとしています。
オンラインで会見に参加した、サッカーJ3FC岐阜の元社長で、日本ALS協会の恩田聖敬会長は「ALSに限らず、進行性の難病の患者は時間との闘いが重要で、今この瞬間に治療薬を心待ちにした仲間が息を引き取っています。新型コロナのワクチンのように早期承認の例もあるので、我々難病患者にも門戸を開いて頂きたい」と代読の形で訴えました。
恩田聖敬さんは山県市出身で9年前、FC岐阜の社長に就任した直後ALS・筋萎縮性側索硬化症を発症しました。
病気のため社長を退任したあとは車いす生活をしながら精力的に講演や執筆活動を行っていて去年は東京オリンピックの聖火リレーのランナーもつとめました。
そして去年、ALSの患者や家族で作る日本ALS協会の会長に就任していました。