全国新酒鑑評会 福島県「金賞」18点で2位 日本一奪還逃す

各地の酒蔵が日本酒のできを競う全国新酒鑑評会の結果が22日、発表され、特に優れた「金賞」に福島県から18点が選ばれました。
都道府県別の受賞数では2位と惜しくも日本一奪還を逃しましたが、福島県の日本酒の品質の高さを改めて示す結果となりました。

「全国新酒鑑評会」は、広島県東広島市にある独立行政法人酒類総合研究所が日本酒の製造技術と品質の向上のため明治時代から開いている唯一の全国規模の日本酒の鑑評会で、112回目のことしは828点が出品されました。

先月から今月にかけて行われた審査の結果が22日午前10時に発表となり、「入賞」に392点、このうち特に優れた「金賞」には195点が選ばれました。

「金賞」に選ばれた福島県の酒は去年より4点多い18点で、都道府県別の受賞数で1位となった兵庫県の19点に次ぐ2位でした。
福島県は去年、「金賞」の都道府県別の受賞数で10連覇がかかっていましたが、5位まで順位を下げて記録が途絶え、再び日本一を奪還できるかに注目が集まっていました。

ことしは惜しくも2位となりましたが、去年よりも金賞の数を伸ばし、福島県の日本酒の品質の高さを改めて示す結果となりました。

福島市にある県酒造組合の事務所には、日本一の奪還がかかる全国新酒鑑評会の結果発表の瞬間を収めようと、午前10時の発表にあわせて大勢の報道関係者が集まりました。

結果はインターネット上で発表され、事務所では待ち構えていた組合の担当者が都道府県別の金賞受賞数を1つ1つ数え上げていきました。

集計の結果、入賞の数は31と、全国で最も多くなったものの、金賞は18と、19の兵庫県に一歩及びませんでしたが、事務所では金賞の数を去年から4つ伸ばした成果をたたえる声が上がっていました。

今回の結果について、県内で酒造りの指導に当たってきた「日本酒の神様」こと県酒造組合特別顧問の鈴木賢二さんは「ことしは想定通りの味わいになり、自信もあっただけに、日本一にならなかったことは残念ですが、去年よりはずいぶん躍進しましたので、結果には十分満足です。新しい酵母が開発される動きもあるので、今後も情報収集して、前向きに取り組んでいきたい」と話していました。

また、県酒造組合の渡部謙一会長は「1蔵の差だったので率直に言って悔しい気はします。ただ、今年は全体的にレベルが高く、品質は上がっています。追われる立場よりも追う方が強いですので、来年に向けて日本一が取れるようにまた酒造りに精進していきたいです」と話していました。