県内の博物館や美術館 半数以上で収蔵庫が満杯 深刻な影響も

18日は、博物館の国際的な組織が定めた「国際博物館の日」です。
NHKが県内の20あまりの博物館などに取材したところ、半数以上が資料を収める収蔵庫がすでに満杯となっていて、活動に支障を来しかねない深刻な事態になっていることが分かりました。

NHKは、県内の主要な博物館や美術館など23の施設を対象に、これらの施設の役割の1つである資料の保管や収集について質問を行い、22から回答を得ました。

その結果、17施設が「保管や収蔵に課題がある」と答え、このうち13施設が収蔵庫などについてすべて埋まっている、もしくは8割以上埋まっていて、いずれも保管に支障をきたしていると回答しました。

理由について、いずれの施設も土器や化石の出土、民具や古文書の寄贈などにより、収蔵品が増え続けることを挙げています。

その結果、中には人手不足も加わって資料の劣化を招いたり、展示する美術品の購入を10年以上凍結したりするなど深刻な影響が起きているケースもありました。

対策を尋ねたところ、職員が施設の中に棚を自作したり、絵や版画を額から出して重ねて保管したりするほか、施設から離れた廃校などを資料の保管に活用している事例もありました。

全国の博物館でつくる「日本博物館協会」が行った5年前の調査では、全国で施設の60%近くが収蔵庫不足など保管に何らかの問題を抱えていると答え、県内でも活動に支障を来しかねない深刻な事態になっていることが浮き彫りになった形です。

【収蔵は全国の博物館にとって切実な課題】
全国の博物館でつくる「日本博物館協会」が行った5年前の調査では全国の60%近くの施設が収蔵庫の不足など保管に何らかの問題を抱えていると答えていて、収蔵は県内だけでなく全国の博物館にとって切実な課題となっています。

県内の博物館でつくる福島県博物館連絡協議会は、資料の保管や収蔵が厳しい状況にあることは認識しているとした上で、「これまでも各館と収蔵について協議してきたが、今後はさらに問題の解決に向けて各館と連携し、積極的に議論を進めていく」としています。