福島第一原発 300件余の点検完了 140件で手順見直し

先月、福島第一原発で地中のケーブルを損傷して一部の電源系統が停止するトラブルを受けて、東京電力がおよそ800件の作業を対象に実施している点検は、9日時点で300件余りが完了しました。
およそ140件では作業事故を防ぐための手順の見直しなどを行ったということです。

福島第一原発では、先月24日、地中の電源ケーブルを損傷し、処理水の放出設備をはじめとする一部の施設で電気の供給が停止するトラブルが起きました。

また、ことし2月には汚染水の浄化装置で配管の弁が開いているのを見落としたまま水を通す作業を行い、放射性物質を含む水が屋外に漏れ出しました。

トラブルが相次いでいることを受けて、東京電力は今月上旬から福島第一原発で行われているおよそ800件のすべての作業について手順の点検を実施しています。

東京電力によりますと、9日時点で300件余りの点検が完了し、このうちおよそ140件は、作業事故を防ぐための手順の見直しなどを行ったということです。

具体的には、3号機で作業員が酸欠となるリスクがある閉鎖的な空間で作業前に酸素濃度を測定すること、2号機の使用済み燃料を取り出す作業で被ばくのリスクを下げるため、ゴム手袋を頻繁に交換することをそれぞれ明文化するなどしたということです。

東京電力は今月中にすべての点検を完了したいとしています。