飯舘村の「復興再生拠点」避難指示解除1年 復興進め方課題

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う帰還困難区域のうち、飯舘村で先行して除染が行われた地区で避難指示が解除されてから1日で1年です。
住民などによる活動は一部再開していますが、これまで帰還した人はおらず、地域の復興をどのように進めていくかが課題となっています。

飯舘村では13年前の原発事故の影響で、村の面積のおよそ5%にあたる南部の長泥地区が長期にわたって帰還が難しい帰還困難区域に指定され、避難指示が続きましたが、地区のうち17%については、先行して除染などを行い、早期に避難指示を解除して復興を進める「特定復興再生拠点区域」に国が認定し、1年前の1日、避難指示が解除されました。

また、隣接する公園も、人が居住しないことなどを条件に除染を実施せずに同時に避難指示が解除されました。

村によりますと、避難指示が解除されたエリアには62世帯186人が住民登録していて、このうち数人が避難先との2拠点で生活をしていますが、完全に帰還した住民はいないということです。

地区では事故前に「花の里」として親しまれてきたふるさとを取り戻そうと、去年10月には住民が避難先から集まって桜などを植樹する活動も行われました。

村は、地区の再生に向けて交流人口を増やしたいとしていて、居住する住民がまだない中、復興をどのように進めていくかが課題となっています。