JR福島駅東口の再開発事業 市などがホテルの誘致を断念

JR福島駅東口にあった百貨店の跡地などで進められている再開発事業について、市や再開発組合は、当初目指していたホテルの誘致を断念したことを明らかにしました。
アパレルなどの商業施設もテナント交渉が難航していて、計画は大幅な縮小を余儀なくされています。

福島駅の東口にあった百貨店、「中合」の跡地では、地権者などで作る組合が再開発を進めていて、当初は、商業施設やホテル、それに市が整備するホールなどが入る複合ビルを2026年度中に開業させる方針でしたが、資材や人件費の高騰に伴って事業費が膨らみ計画の見直しを迫られています。

この計画について、1日の福島市議会で、市や再開発組合は、当初、ビルの中核として見込んでいたホテルの誘致について、条件面で折り合わず、断念したことを明らかにしました。

また、低層階のテナントとして交渉を続けているアパレルなどの店舗の誘致も難航しているとして、商業機能が大幅に縮小し、飲食店やオフィスが中心になるという見通しを示しました。

木幡市長は「大規模な民間投資を呼び込むだけの力が福島駅前には乏しくなっていることを痛感している。危機的な状況だからこそ、再開発の早期実現によって人流回復を図っていきたい」と述べました。

JR福島駅周辺では、西口の「イトーヨーカドー福島店」が今月6日に閉店予定で、その後の活用が決まっていませんが、東口でも、計画見直しで開業が当初の予定より2年以上遅れるなど、駅前の空洞化に拍車がかかることが懸念されます。