昔の人の手仕事を学ぶ 福島市で繭から絹糸をつむぐ体験

昔の人の暮らしぶりを知ってもらおうと、繭から絹糸をつむぐ手仕事などを体験する催しが福島市で開かれました。

催しが開かれたのは、江戸時代中期から明治時代の農家の家屋などを移築して復元した、福島市の文化施設「福島市民家園」です。

施設を管理する団体が大型連休に合わせて企画し、28日は、明治6年ごろに建てられた養蚕農家の土間で、蚕の繭から絹糸をとる「糸取り」の作業の体験が行われました。

絹糸は、お湯でゆでた繭玉から、稲わらで作った「みごほうき」という道具を使って取り出した数本の細い糸をよりあわせて作るということで、参加した人たちは団体の職員から説明を受けると、「不思議ですね」などと声を上げていました。

そして、職員に教わりながら、繭玉をゆでる鍋のそばで糸車を手で回し、1本によりあわされた絹糸を巻き取っていきました。

また、土間からあがった部屋では、地元の愛好家が機織りの実演を行っていて、参加者らは両手と両足で機織り機を操って絹糸から1枚の布を織りあげる様子を見学していました。

参加した人たちは「繭から細い糸を紡いで、きれいな1本の糸を作っていることがよく分かりました」とか、「昔の人たちはたくさんの手間をかけてものを作っていたのだなと改めて思いました」などと話していました。