南相馬市の博物館 新種の植物の化石を展示 市の天然記念物に

南相馬市の博物館では生息していた当時の姿とほぼ変わらない状態で発掘された、新種の植物の化石が展示されています。

南相馬市博物館で新たに展示されたのは、「キムリエラ・デンシフォリア」と呼ばれる新種の植物の化石です。

市内に住む愛好家が南相馬市原町区にあるおよそ1億6000万年前の地層から見つけ、茨城県の専門家が調べたところ、形態の特徴などから中生代に絶滅した植物の新種と判明したということです。

現在の裸子植物の「ソテツ」などに近いグループとみられ、15センチほどの長さの葉軸と呼ばれる部分に小さな葉が左右から一定の間隔で生えている様子がわかります。

通常、植物の化石は葉や枝などがそれぞれ別に見つかることがほとんどで生きていたときの姿をそのまま復元できるほど良好な状態で見つかることは非常に珍しく、世界的に見ても貴重な発見だとしています。

南相馬市は地域の古い自然を残す貴重な文化財だとして、化石43点を今月22日付けで市の天然記念物に指定し、このうち5点を6月2日まで博物館で展示しています。

博物館の二上文彦主任学芸員は「恐竜でいえば全身骨格が見つかったことと同じで、第一級の学術的価値を持つ化石です。この発見で恐竜の背景に描かれた植物が今後、変わる可能性もあり、当時の環境を想像しながら見てほしい」と話していました。