いわき市で発見の二枚貝の化石 国内では初確認か

福島県いわき市の地層から見つかった「イノセラムス」と呼ばれる二枚貝の化石を県立博物館などが調べたところ、一部は国内では確認されていないものだとわかりました。
海外の発掘の状況とあわせて考えると、いわき市周辺では恐竜が生きていたとされる時代が100万年ほど早まる可能性があるとしています。

「イノセラムス」は恐竜と同じ時代に生息していた二枚貝で、国内では福島県など東北地方をはじめ各地で化石が見つかっています。

県立博物館の主任学芸員の猪瀬弘瑛さんの研究グループは、いわき市の愛好家がおととしまでの20年ほどの間に市内の白亜紀の地層から見つけた化石6つを調べました。

その結果、1つがヨーロッパなどで見つかっている「イノセラムス」の仲間で、国内では確認されていない「クレムノセラムス」の一種とわかりました。

いわき市でこれまで化石が発見されている地層は、古いものでは8980万年ほど前のものと推定されていましたが、今回の種類は海外ではさらに古い時代に生息していたとされています。

このため、グループは、いわき市周辺では恐竜が生きていたとされる時代がこれまでより100万年ほど早まる可能性があり、国内の地質年代の見直しを再検討する必要がある重要な発見だとしています。

猪瀬さんは「100万年のずれがなぜ生じているのか、北海道などほかの地域の地層とも比較してさらに検証を進めていきたい」と話しています。

新発見の化石は27日から県立博物館で展示されます。