農業の担い手育成 南相馬市が農業学校設立 1期生の入学式

被災地の農業の復興につなげようと、農業の担い手を育成する農業学校を南相馬市が設立し、きのう1期生の入学式が行われました。

入学式が行われたのは、南相馬市の全日制の農業学校、「みらい農業学校」で、京都市に本社を置く農業関連のベンチャー企業が運営にあたります。

12日は、学校が設置された小高区にある市の施設で入学式が開かれ、県内外から集まった10代から50代までの1期生15人が出席しました。

式では、校長を務める運営会社の西辻一真社長が「皆さんが農業に精いっぱい取り組めるよう頑張りたい」と述べました。

学校では、年齢や経験を問わず農業を志す人を対象に、土作りのための理論や野菜の栽培方法、それに最先端の農業機械の扱い方などを学ぶほか、実習を行うためのおよそ2ヘクタールのほ場で1年間かけてタマネギやきゅうりなど20品目の栽培にも取り組みます。

南相馬市では、震災前に使われていた水田のおよそ3割が作付けされなくなったということで、農家の数が73%減少、農家の高齢化も進んで60歳以上が84%を占め、担い手の確保や育成が課題となっています。

市内出身の20代の男性は「いろいろな支援も受けながら、夢と希望をもって頑張りたい」と話していました。

兵庫県から南相馬市に移住した30代の男性は「入学を楽しみにしていました。コメ作りを基礎から勉強したい」と話していました。