東日本大震災1か月後に震度6弱の地震 当時を伝える講演会

東日本大震災の1か月後に震度6弱の揺れを観測する地震が発生し、大規模な土砂崩れで4人が死亡したいわき市で、地震から13年の11日、地域住民が当時の状況を子どもたちに伝える講演会が開かれました。

2011年4月11日の午後5時すぎ、福島県いわき市付近を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生して、最大震度6弱の揺れを県内のいわき市などと茨城県で観測し、このうちいわき市田人町では全長およそ14キロの断層が地表に現れたほか大規模な土砂崩れで16歳から84歳の男女4人が死亡しました。

この地震から13年の11日、いわき市田人町では、住民で作る協議会が、当時の記憶を若い世代に伝えようと地元の小中学生を対象とした講演会を初めて企画し、およそ40人が参加しました。

講師を務めたのは、4人がなくなった地区の当時区長だった大竹保男さんで、東日本大震災ではほとんど被害が無かったものの、この時の地震は、揺れが立っているのが難しいぐらい激しく、さらに余震も長く続き、不安から4か月にもわたって集会所に寝泊まりした人がいたことなどを紹介しました。

その上で、自分が住む場所にどのような災害の危険性があるか知ることや、停電しても情報が入手できる携帯ラジオなどを持つべきだと訴えました。

参加した中学3年生の生徒は、「4月11日の地震はあまり知らなかったので詳しく聞いて驚きました。ふだんから準備する必要があると感じました。」と話していました。

企画した協議会の下山田誠さんは、「地域の人も高齢化するなか、若い人たちに当時の被害を知ったり、防災について考えるきっかけになればと思います」と話していました。