東京電力「核燃料デブリ」取り出し工法 具体化のめど決定

福島第一原子力発電所の廃炉で最大の難関とされる「核燃料デブリ」の本格的な取り出しに向けて、東京電力が2025年度上期までをめどに工法を具体化する方針を決めたことがわかりました。

福島第一原発の1号機から3号機には、13年前の事故で溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った「核燃料デブリ」がおよそ880トンあると推計されていますが、3号機から始めるとしている本格的な取り出しの工法は決まっていません。

この工法をめぐって、東京電力に技術的な助言を行う国の専門機関は今月、原子炉や格納容器を水で満たさず、主に空気中で作業する「気中工法」を軸に、セメント系材料などの充填材を流し込んでデブリごと固めて取り出す「充填固化」という工法を一部で活用することを検討すべきと提言しました。

東京電力によりますと、この提言を受けて、2025年度上期までをめどに、本格的な取り出しの工法を具体化する方針を決めたということです。

東京電力は提言された「充填固化」の実現性を検証するなどして、工法の検討を進めていくことにしています。

極めて強い放射線を出す「核燃料デブリ」の取り出しは、廃炉最大の難関とされ、これまでさまざまな工法が検討されてきましたが、具体化の目標時期が示されるのは初めてです。