環境省 除染土の再生利用 来年度は傾斜地での栽培試験へ

環境省は、飯舘村の長泥地区で行っている、原発事故に伴う除染で出た土を農地に再生利用する実証事業で、来年度は、県内の農地にも多い傾斜地での栽培試験を新たに始め、土の流出が起きないかなどの検証を進めることにしています。

環境省は、飯舘村の長泥地区で、除染で出た土から異物を取り除き、放射性物質の濃度が基準を下回ったものを農地に再生利用する実証事業を6年前から行っていて、このほど国と住民などによる協議会を開き、来年度の事業計画を示しました。

それによりますと、以前からの水田での栽培試験と並行して、県内の農地にも多い傾斜地での新たな実証をおよそ7アールの畑を作って行います。

再生利用する土の流出が起きないかや、畑として必要な排水の機能性などを検証します。

また、再生利用の実現に向けた課題である安全性などへの理解醸成のため、PRに活用するドライフラワー用の花などの農業用ハウスの面積を3.6倍に増やし取り組みを強化します。

協議会では、住民から「地区で稲作を再開できる見通しを示してほしい」という要望も出され、環境省環境再生・資源循環局の中野哲哉参事官は「最終的にこの地区で農業を行うというイメージもあったので、実現できる形にすることを見据えていきたい」と話しました。