ドローンを使って牛丼を空から届ける実験 南相馬市

ドローンを使って「牛丼」を空から届けるユニークな実験が福島県南相馬市で行われ、28日、報道陣に公開されました。

この実験は、福島県や全国に店舗を展開する牛丼チェーンなどがドローンを使った配送の可能性を探ろうと初めて実施し、起点となる南相馬市内の牛丼店には関係者およそ20人が集まりました。

実験は、市内の注文先に牛丼を届ける想定で行われ、このうち、第1便は段ボール箱に3人前の牛丼を収めて上昇すると、あらかじめ設定したコースに従って2キロほど離れたロボット研究施設を目指して飛んでいきました。

15分後、ドローンが無事に到着すると、牛丼が取り出され、注文した施設の職員らが大空を飛んで届いた特別なランチを楽しんでいました。

大盛りを頼んだ職員の女性は「近くに食堂などがなく、温かいものを食べる機会も少ないので助かります」と話していました。

県などによりますと、ドローンを使った配送は、人口の少ない僻地での需要や、大規模な地震で物資の輸送が困難になった地域の救援などで応用が期待されているということです。

28日午前の実験では、2回の飛行で6人前を配送できたということで、牛丼チェーンなどでは実用化に向けて実験を重ねていくとしています。

牛丼チェーンの金田淳さんは「牛丼の作り置きをしていないため、ドローンの離陸に合わせてどう調理するのかなどを今後、検証していきたい」と話していました。