「阿武隈急行」13億5千万円余の補助でレール修繕や車両更新

厳しい経営状況が続く福島県と宮城県を結ぶ第三セクターの鉄道、「阿武隈急行」は、新年度、国や県、それに沿線の自治体から13億5000万円余りの補助を受けて、レールなどの修繕や車両の更新などを行う方針を決めました。

阿武隈急行は26日、本社がある福島県伊達市で取締役会を開き、新年度の事業計画案や収支予算案について承認しました。

事業計画案では、車両や鉄道施設などの老朽化で更新費用が膨らむ中、優先度の高い施設や設備の維持修繕に計画的に取り組むとしています。

また、収支予算案では▽レールなどの修繕費としておよそ6億3000万円、▽老朽化に伴う車両や設備の更新費として8億3000万円余りが示され、会社の負担分を除いて、国や県、それに沿線の5つの市と町から合わせて13億5200万円余りの補助を受けるとしています。

阿武隈急行の今年度の利用者数は、人口減少や新型コロナの感染拡大の影響で大きく落ち込んでいて、運輸収入をどのように増やしていくかが課題となっています。

阿武隈急行の冨田政則社長は「修繕費の増大は新年度だけにとどまらず長いスパンで考える必要がある。いつまでも自治体に頼るわけにはいかず、イベントや新たな定期券の発売などまずは『とにかくやってみる』をスローガンに取り組んでいきたい」と話していました。