地価公示 福島県 調査地点平均プラス0.8% 3年連続上昇

土地の価格の動きを示すことしの「地価公示」が公表され、福島県では、住宅地と商業地などすべての調査地点の変動率の平均はプラス0.8%と、3年連続で上昇しました。

「地価公示」は、国土交通省がことし1月1日の時点で調べた土地の価格で、県内では42の市町村の441の地点で調査が行われました。

その結果、住宅地や商業地などすべての調査地点の地価を去年の同じ時期と比べた変動率の平均はプラス0.8%と、3年連続で上昇しました。

このうち▽住宅地をみますと、上昇率が最も大きかったのは、「郡山市日和田町」のプラス8.1%で、複合型商業施設に近い郊外で建て売り分譲住宅が高値で取り引きされ、地価を押し上げました。

下落率が最も大きかったのは、去年9月に大雨被害を受けた「いわき市内郷内町」のマイナス8.3%で、浸水被害があったため需要が減ると見込まれ、全国でも最大の下落率となりました。

また、▽商業地で上昇率が最も大きかったのは、「郡山市細沼町」のプラス8.7%で、近隣の住宅地域の需要が堅調で取引も旺盛なことなどから大幅な上昇となり、2年連続で1位となりました。

反対に下落率が最大となったのは「西会津町野沢」のマイナス4.1%で、従来からの商店街で過疎化の進行が著しく、衰退や顧客の流出が要因となりました。

地価公示の調査を行った不動産鑑定士で、県不動産鑑定士協会の副会長を務める石田英之さんは「都心部では地価上昇が継続しているものの、過疎化が進む地域では不動産の需要の下落が続き、地価の二極化がより強まった」と分析しています。

また、住宅地で全国でも最大の下落率となった「いわき市内郷内町」の今後の需要については、「自然災害のリスクを嫌う傾向の強まりから、敬遠される可能性がある」と指摘しています。

このほか、住宅地や商業地などすべての調査地点の変動率の平均が3年連続で上昇する中、今後の見通しについては「上昇傾向は続くとみられる。しかし、建設費や土地と建物の総額が上昇する一方、個人所得が変わらなければ上昇の傾向が鈍化する可能性はある」と話しています。