災害や戦争の記憶 伝承の方法を考える 福島大でシンポジウム

災害や戦争の記憶をどのように伝承していくのか考えるシンポジウムが福島大学で開かれ、高校生らが伝えていくことの難しさなど活動の内容を発表しました。

このシンポジウムは、災害や戦争を経験していない世代が増える中で教訓を伝承していく方法を模索しようと、福島大学が開催しました。

登壇したのは、伝承活動をしている全国各地の高校生や大学生など4つのグループで、このうち、阪神淡路大震災について伝えている神戸市の高校生、平野遙人さんは、災害を経験していない自分たちが多くの犠牲者が出た災害に関心を持ってもらえるように伝えることの難しさなどを発表していました。

また、福島県広野町出身で、東日本大震災当時4歳だった高校生の中島空音さんは「当時の記憶があいまいだったが、母から話を聞いて、自分の記憶と母の話が一致し、震災を知る最後の世代という自覚を持つことができた」と発表していました。

発表を聞いた福島市の65歳の女性は「活動に若い世代の感性がちりばめられていて感心しました。経験していない世代に伝える重要性を感じました」と話していました。

シンポジウムを開催した福島大学の久保田彩乃特任助教は「次の世代を担う人たちの活動内容を知ってもらい、災害や戦争を経験した大人が何を伝えていくべきなのかを考える機会にしてほしい」と話していました。