がん医療向上を 会津地方で病院など運営法人がIAEAに寄付

会津地方で病院などを運営する法人が、IAEA=国際原子力機関によるがん医療の向上を目指す取り組みに賛同して寄付を行いました。

寄付を行うための調印式は、福島市にある県立医科大学のキャンパスで行われ、IAEAのグロッシ事務局長とがん医療などに力を入れている会津中央病院などを運営する会津若松市の法人の理事長らが集まりました。

この中で、IAEAのグロッシ事務局長は、放射線医学などでIAEAが世界の国々を何年も支援してきたことや、所得が低い国でのがん医療を向上させるためにあらたな仕組みが必要なことなどを訴えました。

法人は、処理水をはじめとする復興に向けたIAEAの活動に感謝を伝えるとともに、放射線治療の普及を目指すIAEAの取り組みに共感し、日本円にしておよそ1600万円に当たる、10万ユーロを寄付したということです。

また、IAEAの活動を支援する国内の組織も14日発足し、放射線治療の普及を進めるため、今後、全国の大学などを通じて日本のがん治療の専門家を海外に派遣する人的支援なども行うということです。

調印式のあと、IAEAのグロッシ事務局長は「我々は原発事故からの復興だけでなく、発展につながる人道的な仕事もここ福島から行っていく」と話していました。