IAEAグロッシ事務局長 処理水の放出状況を現場で確認

来日中のIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は13日午後、東京電力福島第一原子力発電所を訪れ、去年8月から行われている処理水の海への放出の状況を現場で確認し、計画通り放出作業が行われていることを評価しました。

IAEAは、福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する作業が始まった去年8月以降も安全性の検証を続け、ことし1月には、国際的な安全基準に合致しているとする報告書を公表しています。

グロッシ事務局長は13日午後、処理水の海への放出が始まってからは初めて福島第一原発を訪れました。

グロッシ事務局長は大量の海水で薄めた後の処理水の濃度を測定するための装置を確認し、同行した東京電力の小早川智明社長から地中のトンネルを使って沖合およそ1キロメートルで放出を行っていることやトラブルなどが起きた際に放出を止める仕組みなどについて改めて説明を受けていました。

視察を終えたグロッシ事務局長は報道陣の取材に応じ「IAEAも独立して処理水のサンプリング調査を行っているが、その結果も期待どおりの低い数値だ」と計画通り放出が行われていることを評価した上で「放出は長い道のりだが、いいスタートを切れたと思う。今後もIAEAとしてフォローしていきたい」と話していました。