IAEAグロッシ事務局長が県内の高校生と意見交換

県内を訪れているIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が13日、富岡町を訪れて原発事故から13年がたった福島県が抱える課題などについて県内の高校生たちと意見を交わしました。

この意見交換会は原発事故から13年がたち、廃炉作業などが進む中、高校生たちが直接、国際機関の担当者と意見を交わせる場を設けようと広野町のNPO法人が企画しました。

会場の富岡町の施設にはIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が訪れて、会には安積高校や原町高校など7校からおよそ120人の生徒たちが参加しました。

高校生からは処理水の安全性と国際社会の理解についてや、福島第一原発のデブリの取り出しなどに関する質問が相次いでいました。

このうち、磐城高校2年の神谷菜月さんは「わたしたちには原発事故の責任はないが、廃炉や処理水放出を見届けるのはわたしたちです。課題や責任をどうして引き継がなければならないのか」と質問しました。

これに対し、グロッシ事務局長は「あなたたちはいろいろな影響を背負わないといけないが、事故後、適切な対応は取られてきたと思う。それは一歩ずつだが、皆さんを守るために必要なプロセスだ」などと答えていました。

会のあと、神谷さんは「疑問は完全には解消しませんが、一緒に問題に取り組んでいる安心感をもらえました。大人たちには力を尽くしてほしいし、わたしたちが向き合い続けるということを忘れないでほしい」と話していました。