木戸川のサケ漁復活願い 子どもたちが稚魚放流 福島 楢葉町

楢葉町の木戸川では、東日本大震災と原発事故のあと水揚げの不振が続いているサケ漁の復活を願い、地元の子どもたちが稚魚を放流しました。

楢葉町に河口がある木戸川では、サケ漁が盛んでしたが、震災と原発事故の影響で一時途絶え、避難指示の解除とともに9年前に再開されたものの、不漁が続いています。

4日は、地元の小学生や園児など90人あまりが、体長5センチほどの稚魚が入ったバケツを持って川岸に並んで次々と放していき、あわせて1万匹を放流しました。

楢葉小学校6年生の山内瑠花さん(11)は「サケが元気に戻ってくるようにお願いして放流しました」と話していました。

地元の漁協によりますと、放流した稚魚は4年ほどで戻ってくるということで、かつては、毎年1000万匹を超える稚魚を放流して、年間7万匹を超える水揚げ量を誇っていたということです。

しかし、震災と原発事故のあと、放流できない期間が続き、再開後も十分な数を放流できず、今年度(2023年度)の水揚げ量は、過去最低の124匹だということです。

木戸川漁協鮭ふ化場の鈴木謙太郎さん(42)は、「稚魚の放流を続けることで数がしっかり増えていくと信じながら、がんばっていきたいです」と話していました。