東日本大震災で活動した経験を若手の警察官に伝える

東日本大震災の発生からまもなく13年になるのを前に、いわき中央警察署では、当時活動した警察官が自らの経験を若手に伝える講話を行い、その後、海岸で行方不明者の捜索に当たりました。

いわき中央警察署では、署に勤務する警察官の半数が震災後に採用されていて、当時の活動や教訓などを伝えていくことが課題になっています。

1日は、震災当時に対応に当たった先輩警察官が、若手警察官らおよそ100人を前に、自身の経験を伝えました。

このうち、地域課の小松博司巡査部長(53)は、当時、いわき東警察署で勤務していました。

小松巡査部長は「津波の直前に海岸を巡回すると潮が引いていて、多くの住民が沿岸で写真を撮影していた。急いで高台に逃げるよう呼びかけた」と語りました。

また、ことし2月に能登半島地震の被災地に派遣され、石川県輪島市でパトロールに当たった経験も語り「地域住民に寄り添いながらも、不審と思ったら臆せず職務質問し犯罪を防ぐことが大切だ」と訴えました。

講話のあとは、いわき市薄磯の海岸で、行方不明者の捜索活動が行われ、警察官30人が長い棒を使い砂浜を掘り起こして、行方不明者の手がかりがないか探していました。

捜索に加わった警務課の本間和典警部(60)は東日本大震災の発生時、行方不明届の手続きを担当していましたが、今月末で定年退職します。

本間警部は「まだ家族の行方が分からないという方が多くいる。そういった方の心情を理解しながら、日々業務に当たってほしい」と話していました。