去年の林業産出額約139億円に 初めて震災前を上回る

去年の福島県の林業産出額が、およそ139億円と、初めて原発事故前の金額を上回ったことが、農林水産省のまとめで分かりました。

農林水産省によりますと、去年の福島県の林業産出額は138億9000万円と、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きる前の平成22年より、9億3000万円、率にして7.2%多くなりました。

原発事故前の金額を上回ったのは初めてで、都道府県別の順位は12位から9位に上がりました。

産出額増加の要因ついて、県は、全体の7割余りを占める木材の価格が、輸入木材の不足によって上昇したためだとみています。

栽培きのこの産出額も、去年は36億8000万円と、依然として平成22年の7割余りにとどまっているものの、前の年より3億1000万円、率にして9.2%多くなり、原発事故後の最高額を更新しました。

県森林計画課の宮田博文課長は「厳しい状況が続く中林業に携わってきた人たちの努力の成果だと思う。産出額に一喜一憂することなく、生産量の増加に努め林業の力を伸ばしていく取り組みが重要だ」と話していました。