復興のノウハウを学ぶ ウクライナ政府の幹部らが大熊町を訪問

ロシアによる軍事侵攻で甚大な被害を受けたウクライナから、政府などの幹部が地域を復興させるノウハウを学ぼうと、震災と原発事故からの復興が進められている大熊町を訪れました。

視察は、JICA=国際協力機構が、戦禍で荒廃したウクライナの地域の復興を支援しようと招き、政府の復興関連の部局や東部ハルキウ市の幹部など10人が参加しました。

訪れたのは、震災と原発事故で被災した大熊町で、最初に役場で町の担当者から復興の経緯や取り組みについて説明を受け、原発事故の影響で全住民が避難を余儀なくされ、8年余り後からようやく帰還が始まったことや、放射線量が比較的低く避難指示が早期に解除された地区に、役場や住宅地、商業施設など集めたコンパクトな居住エリアを整備したことなどを学びました。

続いて、去年、12年ぶりに町内で再開した学校などが入る町立の教育施設「学び舎ゆめの森」を訪れて、子どもたちの元気な校歌で出迎えを受け、お礼にウクライナ伝統の人形を子どもたちにプレゼントしました。

また、タブレットを使った授業の様子も見学しました。

学び舎ゆめの森の南郷市兵校長は「ウクライナの戦禍からどうやって立ちあがるかを真剣に探していると感じた。学校が町の復興の力になっていることを感じてもらえたら」と話していました。