大熊町など将来の町作りテーマ 東北大学院生が提言の報告書

大熊町などでおよそ1年間にわたって将来の町作りなどをテーマにフィールドワークを行った東北大学の大学院生が、これまでの活動を提言にまとめ、19日報告書を町に手渡しました。

東北大学公共政策大学院の大学院生ら10人は、去年4月から大熊町と富岡町で住民や自治体の担当者、それに有識者らの話を聞きながら町の復興をテーマに議論を重ねてきました学生たちは活動を政策提言にまとめ、19日、大熊町の交流施設で吉田淳町長に報告書を手渡しました。

この中では震災前におよそ1万1500人いた住民が現在はおよそ1100人にとどまり、長引く避難で地域のコミュニティーが失われているとした上で、にぎわいを取り戻す施策として、来てもらう、関わってもらう活躍してもらう愛してもらうの4つを柱に復興を進めるべきとしています。

具体的には子育て世代を対象に子ども向けに町内の学校への体験入学や農業体験を通じて町の魅力を知ってもらうことや公共施設などの整備に避難している住民の意見を取り入れることなど、参加型のコミュニティーの再生を目指すべきとしています。

提言を行った佐藤空飛さんは「新しく箱物を作るのではなく震災前の人たちの暮らしにどう寄り添えるか考えて作成しました。復興に少しでも役立てばうれしいです」と話していました。

学生たちは20日、富岡町にも提言を行います。