郡山で干し芋づくり最盛期 原発事故後 しいたけに代わり生産

福島県郡山市の食品会社では、東京電力福島第一原発の事故のあと、主力商品だった原木栽培のしいたけに代わって生産を始めた干し芋の加工作業が最盛期を迎えています。

干し芋づくりを行っているのは郡山市の食品会社「きのこ総合センター」です。

空気が乾燥するこの時期に作業のピークを迎えるということで、13日も朝早くから従業員たちが蒸したサツマイモの皮をむいたり、切り分けたイモを乾燥機にかけたりしていました。

この会社では、震災前はしいたけの原木栽培を行っていましたが、原発事故の影響で原木が手に入りづらくなったことから、代わりとなる商品として7年前から干し芋の生産を始めたということです。

原料となるイモの多くは県内産の「紅はるか」という品種で、毎年およそ300トンを生産しています。

乾燥機にかけたあと、農業用ハウスでさらに4日から5日ほど自然乾燥させると、滑らかな舌触りと豊かな甘味のある干し芋に仕上がるということです。

会社の佐藤正親会長(85)は「ことしもいい干し芋ができています。福島の干し芋の知名度を高めていきたいです」と話していました。

この会社の干し芋づくりは来月中旬まで続き、県内のJAの直売所や道の駅のほか、東北や首都圏のスーパーなどに出荷されます。