南相馬市のJRの無人駅に酒造りの醸造所 国内で初めて

福島県南相馬市にある無人駅、JR小高駅に醸造所が完成し、9日、報道関係者に公開されました。
無人駅に酒造りを行う施設が設けられるのは、国内では初めてだということです。

この醸造所は、JR東日本グループの地域活性化事業の一環で、JR常磐線の小高駅に新たに設けられました。

小高駅がある南相馬市小高区は、原発事故による避難指示が8年前の平成28年に解除されましたが、居住人口は事故前のおよそ3割にとどまり、地域のにぎわいづくりが課題となっています。

醸造所は、3年ほど前に付近で酒蔵の経営を始めた若手の移住者が開いたもので、容積が88リットルの2基の発酵タンクが設けられ、保健所などの認可を得た上で4月から酒類やノンアルコールドリンクの開発を行う計画です。

また、酒蔵が生産した酒や、文房具やスイーツの売店も併設されています。

JR東日本によりますと、無人駅に酒造りを行う施設が設けられるのは国内では初めてだということです。

醸造所を開いた佐藤太亮さんは「いろんな人の思いがある場所に明かりをもう一度灯すことができたのが何よりも嬉しい。人が繋がる温かい場所にしていきたい」と話していました。