太陽光発電施設開発で苦情 福島市長が事業者の監督を県に要請

福島市郊外の吾妻連峰の中腹などで開発が相次いでいる、大規模な太陽光発電施設=「メガソーラー」の開発によって、土砂の流出や景観が損なわれるなどの苦情が福島市に寄せられているとして、木幡浩市長は、開発を許可する立場の県に対し、事業者を適切に監督するよう要請しました。

福島市内では、市郊外の吾妻連峰の中腹を中心に、建設中のものを含めてメガソーラーが26か所あり、市によりますと、住民から、大雨などで流出した土砂が農業用水に混じるようになったとか、樹木が伐採され山肌が露出して景観が損なわれたなど、開発に伴う苦情が多く寄せられているということです。

これを受けて、福島市の木幡市長は9日、県庁を訪れ、開発を許可する立場の福島県の鈴木正晃副知事に環境や景観に配慮して事業者を適切に監督するよう要請しました。

木幡市長は「再生可能エネルギーの推進と、環境や景観との両立は不可欠だ」などと訴え、鈴木副知事は「福島市や国と連携しながら法令にのっとり適切に対応していきたい」と応えていました。

市は、去年8月末にメガソーラーの設置をこれ以上望まないとする「ノーモアメガソーラ宣言」を行ったほか、先月には一部の開発事業者に対して緑化工事を先行して進めるよう要請しています。

面会のあと、木幡市長は「県は地域の理解を得る形で事業者への指導や是正措置を行ってほしい」と話していました。


太陽光発電所の建設について、福島県は「法律や県の条例に基づく環境影響評価の標準的な項目に、建設工事中の景観保全に対する評価は一般的に含まれていない。福島市の先達山のケースについては市と連携して対応を検討したい」としています。