去年の沿岸漁業の水揚げ量 震災・原発事故後としては最多に

福島県沖の沿岸漁業の去年1年間の水揚げ量は、前年より1000トン近く多い6530トンで、東日本大震災と原発事故の発生後としては最も多くなりました。

福島県沖の沿岸漁業は、震災と原発事故のよくとしから出漁できる回数や海域などを限定した試験操業が行われてきましたが、およそ3年前の2021年3月に終了し、その後、段階的に水揚げを増やしています。

県漁業協同組合連合会によりますと、去年1月から12月までの1年間の水揚げ量は、速報値で前の年より995トン多い6530トンで、率にして18%増えました。

水揚げ額も前の年より4億8799万円多い39億8593万円で、率にして14%増えました。

いずれも震災と原発事故の後としては最も多くなりました。

県漁連は水揚げ量・水揚げ額ともに増えた要因について、それぞれの漁協が出漁する回数や船の数を増やして計画的に水揚げ量の拡大に取り組んでいることや、需要が増えて海産物の単価が上がっていることが影響したとみています。

一方、震災前に比べると水揚げ量は25%あまり、水揚げ額も43%あまりにとどまっていて、県漁連は、「漁協が掲げた目標に向かって進んだ結果と受け止めている。今後もブランド力を向上させて流通量や販路を拡大していきたい」としています。