福島第一原発2号機 燃料デブリ取り出し3月までの開始を断念

東京電力は福島第一原発2号機で計画している「燃料デブリ」の試験的な取り出しについて、目標としていたことし3月までの開始を断念し、工法の見直しを行った上でことし10月までの開始を目指すことになりました。
2号機の燃料デブリの取り出し計画が延期されるのはこれで3回目です。

福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混じり合った「燃料デブリ」について、国と東京電力は、2号機で試験的な取り出しをことし3月までに開始することを目指して準備を進めてきました。

しかし、取り出しに使用するロボットアームの調整に時間がかかっているほか格納容器の内部に入れるための配管が堆積物で覆われていて、今月から行われている除去作業も難航しています。

これを受けて東京電力は25日の会見でより細い伸縮式の棒状の装置を用いる別の工法に見直すことを明らかにしました。

これに伴い、新たな装置の作成や原子力規制委員会から工法の認可を受けるために時間がかかるとして、目標としていたことし3月までの開始を断念し、ことし10月までの開始を目指すとしています。

また、ロボットアームによる調査や取り出しについては、今後、試験や開発を進めた上で、来年3月までの開始を目指すとしています。

燃料デブリの取り出しは当初、3年前の2021年に始められる予定でしたが装置の改良などで計画が遅れ、延期はこれで3度目となります。