「災害関連死」福島県立医大が520人について調査・研究

「災害関連死」福島県立医大が520人について調査・研究

福島県立医科大学の研究チームは、13年前の東日本大震災と東京電力第一原子力発電所の事故の影響により、南相馬市で「災害関連死」と認定された520人について2011年9月からおよそ10年をかけて調査・研究を行いました。

その結果、巨大地震の発災から死亡までの平均日数は230日で、平均年齢は82歳でした。

また、死亡時期は、直後の3か月がおよそ4割、3か月から6か月が2割あまり、6か月以降がおよそ4割でした。

災害関連死で発災から3か月以内に8割以上が亡くなった8年前の熊本地震とは大きく異なり、震災と原発事故の複合災害で避難が広域化、長期化し、生活環境の変化が大きかったことが要因と見られています。

被災時点で全体の51%にあたる267人が「要介護認定」を受けていて、必要な介護の基準別では、要介護1が21人、要介護2が32人、要介護3が23人、要介護4が67人、要介護5が118人で、要支援が6人でした。

このうち、介護なしでの生活が困難とされる「要介護4」「要介護5」の人は185人と、35%あまりを占めました。

避難による転居などの回数は平均2回で、なかには転居を10回繰り返していた人もいました。

被災した場所は、自宅が252人、病院が148人、施設が119人などとなっています。

また、死因は肺炎が最も多い78人、次いで心不全が46人、老衰が41人、急性心筋梗塞が30人、誤嚥性肺炎が25人などとなっていて、自殺は16人でした。

坪倉医師は「関連死は、今後の防災対策や間接的二次的な影響を防ぐための重要な情報であり、教訓でもある。次の災害に備えて、どういった人たちを守り、どのようなリソースを使うかなど、関係機関がさらに議論し、関連死を防ぐ取り組みが必要だ」と話しています。