福島と台湾結ぶチャーター便 4年ぶりに運航再開

新型コロナウイルスの影響で運航が中止されていた福島空港と台湾の空港を結ぶチャーター便が16日、4年ぶりに復活し、第1便で台湾からの観光客が到着しました。
福島県はチャーター便の今後の運航状況を踏まえて、早ければことし3月にも定期便の就航を目指していて、インバウンドの需要の増加につなげられるか注目されます。

16日復活したのは、台湾の格安航空会社「タイガーエア台湾」の福島空港と台湾の桃園国際空港を結ぶチャーター便で、午後2時半ごろ、台湾からの第1便に乗った観光客ら163人が福島空港に到着しました。

国際線の出発ロビーで記念の式典が行われ、内堀知事は「台湾の皆さんに福島の冬景色と温かい福島の県民性を感じてほしい。地域どうしの交流を深めながらチャーター便を大きく成長させていきましょう」とあいさつしました。

今回、福島を初めて訪れたという台湾の49歳の女性は「きょうは雪が降っているのでわくわくしています。別の地域にも行きたいのでこの便が続くとうれしい」と話していました。

台湾の観光客たちは、台湾便の機体や福島県内の観光地などが描かれた大型バスに乗り込み、会津地方を含む南東北の地域をめぐるツアーに出発しました。

福島空港と台湾を結ぶチャーター便の運航は、新型コロナウイルスの影響で運航が中止されて以来4年ぶりで、ことし3月29日までの火曜日と金曜日の週2回、それぞれ1往復ずつ運航する予定です。

福島県はチャーター便の今後の運航状況を踏まえて、早ければことし3月にも定期便の就航を目指していて、インバウンドの需要の増加につなげられるか注目されます。

【3月には震災後初の定期便も】
福島空港と台湾を結ぶ直行便をめぐっては、県が去年9月、チャーター便だけでなく、定期便の就航も見据えて航空会社や旅行会社と覚書を交わしています。

この定期便はチャーター便の利用実績に応じてスケジュールが決まり、県は、早ければことし3月下旬ごろの就航を目指していて、実現すれば福島空港としては震災後初めての国際線の定期便となります。

【内堀知事が台湾へ】
内堀知事は、ことし3月の定期便の実現に向けて、現地の交流協会などと友好を深めるため、折り返して台湾へ向かう便で出発しました。

知事は、台湾で航空会社などを訪れて意見交換や定期便の運航に向けた協力の要請を行うほか、現地の関係者を招いたレセプションを開いて福島県の観光の魅力を直接PRする予定だということです。

【就航の意義 今後の課題】
復興への後押しと、新型コロナで落ち込んだ観光産業の復活につながると期待される、今回の台湾チャーター便の復活。

その先に見据えている定期便の就航が実現すれば、震災と原発事故のあとの低迷から回復を続けてきた福島のインバウンド需要がさらに高まることが予想されます。

ただ、全国の空港と海外を結ぶ路線は再開や増便が相次いでいて、秋田県や山形県など同じ東北地方の空港でも台湾のチャーター便が復活しています。

数ある旅行先から福島が選ばれるには、福島の魅力を海外でどう広めていけるかが重要なポイントになります。

さらに、定期便の就航に向けては台湾旅行の需要を県内で高め、双方向の行き来を活発にできるかどうかが鍵になります。