クマの被害 専門家「去年以上に被害のリスク高まるおそれ」

福島県では去年、クマの目撃や被害が相次ぎましたが、ことしについて、専門家は、おととし以降、生まれたクマが成長して去年以上に被害のリスクが高まるおそれがあると注意を呼びかけています。

警察によりますと県内での去年のクマの目撃件数は、先月17日時点でこれまでで最も多い684件で、けがなどの人的被害も最多となった10年前と同じ14人です。

クマの生態に詳しい福島大学の望月翔太准教授は「被害や目撃は多かったが、秋田県などのように極端に多いわけでなく、急激に増えてもいないので、ある程度、想定の範囲だ」としています。

一方、これまであまり報告のなかった浜通りで目撃が相次ぐなど県内でもクマが増えている可能性があり、今後もクマへの注意は必要だとしています。

特に、おととしはエサとなるブナが豊作で、おととしから去年にかけて子グマが多く生まれた可能性が高く、成長して自立すると単独でエサを探すため活発に活動するようになり、被害のリスクが去年以上に高まるおそれがあると指摘しています。

望月准教授は、「7月から8月にかけて親から離れたばかりで経験の浅いクマが興味本位で人里に現れ、リスクが高まるおそれは十分ある。行政も注意を呼びかけつつ、会津や中通りなど目撃情報がある地域に住む人は事前に目撃地点を確認し注意の意識を持ち続けてほしい」と話しています。