野生動物の被害2年連続減少 イノシシ減もサル・カラス被害増

イノシシやカラスなどの野生動物による県内の農作物の被害額は、昨年度、1億1000万円余りとなり、2年連続で減少しました。
ただし、イノシシなどの被害が減少したものの、ニホンザルやカラスの被害は増加しました。

県によりますと、昨年度の野生動物による県内の農作物の被害額は1億1885万円で、前の年度より2099万円、率にして15%少なくなり、2年連続で減少しました。

動物の種類別にみますと、最も多いイノシシが全体の37%を占める4400万円余りとなっていますが、浜通り、中通り、会津ともに前の年度と比べて減少しました。

電気柵による防除対策の効果のほか、ブタの伝染病、CSF=豚熱の影響で、個体数が減った可能性があるとみられています。

イノシシについで多かった被害は、ニホンザルが全体の21%、カラスが16%を占めていて、いずれも前の年度の1.3倍以上に増えています。

これについて県は、ニホンザルの生息域が浜通りにまで拡大しているほか、中通りでカラスやムクドリが果物を食べる被害があり、被害額が近年、高止まりしていると分析しています。

県環境保全農業課は「これまでの対策が一定の効果を生んでいると思うので、被害を防ぐ方法を自治体の担当者や地域住民に引き続き周知したい」としています。