復興進む大熊町 町に戻ったこども園に老舗畳店が畳を寄贈

東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故からの復興が進められる福島県大熊町で、ことし春に町内に戻ったこども園に、地元の老舗の畳店が子どもたちのための畳を寄贈しました。

大熊町の町立のこども園は、ことし4月に避難先の会津若松市から町内の避難指示が解除された地区に戻り、今は15人の園児が通っています。

5日は町で唯一の老舗の畳店が36枚の畳を寄贈し、贈呈式では、畳店の浅野宙保代表(61)から3人の園児に1畳の半分の大きさの畳1枚が手渡されました。

このあと、部屋の中に畳が敷き詰められ、子どもたちは早速、寝転んで畳の感触を楽しみ、6歳の女の子は「新しいおうちのいい匂いがしました」と話していました。

この畳店は、100年余り前の大正6年に大熊町で創業しましたが、店があった場所は今も避難指示が出されていて、現在は避難先のいわき市で営業を続けています。

畳を寄贈した浅野さんは「子どもたちのうれしそうな顔が想像以上でよかったです。私たちが代々作ってきた昔ながらの畳のよさを伝えていきたい」と話していました。