18歳以下の甲状腺検査 “がんと被ばくとの関連認められず”

18歳以下の甲状腺検査 “がんと被ばくとの関連認められず”

福島県が原発事故後に行っている県民健康調査について検討する専門家の委員会が開かれ、事故当時18歳以下だった子どもたちを対象に実施している甲状腺検査の4巡目までの結果について、「甲状腺がんと放射線被ばくとの関連は認められない」という結論が報告されました。

県は、福島県立医科大学に委託する形で、原発事故当時18歳以下だった子どもたちを対象にした、甲状腺検査やこころの健康度・生活習慣などを調べる「県民健康調査」を続けています。

24日、福島市で開かれた専門家による検討委員会では、2019年度までに完了した4巡目までの甲状腺検査について、出席した専門家が「甲状腺がんと放射線被ばくとの関連は認められないとする結果がまとまった」という結論を報告しました。

ただし、「一部の専門家が、検査結果の解析手法に検討の余地があるとして賛同しなかった」としました。

甲状腺検査で「がん」あるいは「がんの疑い」とされた人は、4巡目以降を含むことし6月末までに321人で、推計より多いことについては、手術の必要がないがんまで見つけてしまう「過剰診断」の可能性が課題として指摘されています。

県民健康調査検討委員会の重富秀一座長は「過剰診断は長く議論されているテーマではあるが、委員会としては県民の心に寄り添って検査を続けていきたい」と話していました。