県北地方特産「あんぽ柿」作りが最盛期に

福島県の県北地方特産のあんぽ柿作りが最盛期を迎え、生産農家では鮮やかなオレンジ色の柿の実がカーテンのようにつり下げられる光景が見られます。

「あんぽ柿」は、柿を加工して作られる福島県の県北地方の特産品で、中のとろりとした食感と、しっかりとした甘みが特徴です。

この時期は生産の最盛期で、あんぽ柿の発祥の地とされる伊達市梁川町五十沢で農業を営む宍戸里司さんの家では家族などであんぽ柿作りに追われています。

まず、柿の実のヘタをとって皮をむき、1本のひもに20個の柿を結びつけます。

次に鮮やかな色を保つために硫黄でいぶし、最後に、作業場の中に並べるようにつり下げていきました。

宍戸さんは、これまで原発事故の影響であんぽ柿を作れない時期があったり、台風19号で柿畑が水につかって作れる量が減った時期もあったりしたということですが、伝統を絶やしたくないと生産を続けてきました。

ことしは、記録的な猛暑になった影響で、柿の甘みがいつもの年よりも強いということで、来月中旬ごろから出荷が始まります。

宍戸さんは「人工のものを使っていない自然由来の甘さがおいしい。健康にもいいのでぜひ多くの人に食べてほしい」と話していました。