原発の廃液トラブルで東電調査 予定外操作が飛散につながった

福島第一原発にある汚染水の処理設備を洗浄していた作業員に放射性物質を含む廃液がかかったトラブルで、東京電力は廃液の排出量を調整しようと予定外の操作を行ったことなどで廃液の飛散につながったとする調査結果を公表しました。

先月25日、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の処理設備で行われていた配管の洗浄作業中に、放射性物質を含む廃液をタンクに流すホースが外れて作業員に廃液がかかり、汚染が確認された作業員のうち監視役の2人が一時、入院しました。

これを受けて、トラブルが起きた原因を調査していた東京電力は16日、一連の作業の元請け会社がまとめた報告書を公表しました。

それによりますと当時、現場では廃液をタンクに排出する量を調節しようと弁を少し閉める予定外の操作が行われ、洗浄作業で剥がれた化合物の塊が弁に引っかかって配管の圧力が高まったことまた、ホースの固定位置が先端から離れていたため圧力が下がって廃液が勢いよく流れた反動でホースが外れて飛散したとしています。

現場では弁を閉めることで起きるリスクの確認を行っていませんでした。

さらに防水性のある装備の着用が徹底されなかったことが作業員への汚染につながったとしています。

これを受けて東京電力は、予定外の操作を行わずホースの固定方法を改善するなどの再発防止策の遵守と作業員の適切な装備の着用の徹底を元請け会社に求めたということです。

【飛散した廃液の量】

このほか、飛散した廃液の量をめぐり、当初、「およそ100ミリリットル」と公表していた数値を、その後、数十倍にあたる「数リットル」に訂正したことについては、トラブルが起きた直後の限定的な情報がのちに更新される可能性があることを明確に伝えていなかったとし、今後は、正確でわかりやすい情報発信に努めるとしています。