冬眠前のクマが活動活発化のおそれ 県がチラシで注意呼びかけ

福島県内でも出没が相次いでいるクマの行動が冬眠を前に活発化するおそれがあることから県は山あいに近い地域の住民にチラシを配るなどして注意を呼びかけています。

福島市在庭坂にあるJAの農産物直売所では16日午前9時すぎ、県自然保護課の職員など8人が集まり、買い物客らにチラシを手渡しました。

チラシにはクマの行動の特徴や出会わないための対策がイラストと共に記されていて、職員たちは「クマに気をつけてください」などと一人ひとりに声をかけていました。

県によりますと、今年度は、きのうまでに県内で目撃されたクマの数が620件と昨年度1年間の385件のおよそ1.6倍と急増しています。

このうちおよそ8割が会津と県北地域で目撃されていて、ことしは例年と比べてドングリなどのエサの実りが少ないことから人里にエサを求めて出没しているとみられています。

冬眠を前にしたこの時期は活動が活発になる恐れがあり、県は、今月末まで目撃情報が多い地域を見回り、クマのエサになる柿などの果樹を放置せずに摘み取るなどの対策を住民に呼びかけることにしています。

県の野生動物調査専門官の溝口俊夫さんは「12月中旬まではクマが里地に出てくる可能性がある。近くにクマがいると思って注意してほしい」と呼びかけています。