福島工業高専の学生が原子炉土台のコンクリートを再現
東京電力福島第一原発の事故で、1号機の原子炉を支えていたコンクリートの土台が壊れた原因を究明するため、いわき市にある福島工業高等専門学校の学生たちが、原子力規制委員会と共同で、当時使用されていたコンクリートを再現する作業に取り組みました。
コンクリートの再現は福島第一原発の事故の分析を続けている原子力規制委員会にいわき市の福島工業高等専門学校が協力して行ったものです。
学生たちは校内の実験室で、1号機の原子炉を支えていた土台の鉄筋コンクリートを再現する作業に取り組みました。
1号機では、事故で溶け落ちた高温の核燃料が広がり土台の鉄筋コンクリートが溶けたと考えられていましたが、近年の内部調査で一部のコンクリートがなくなっていたものの、鉄筋は残っていることがわかり、土台が壊れた原因について研究機関が分析を続けています。
実験室には、建設当時のコンクリートの原料と同じ川で採取された石や砂などが集められ、学生たちがまずミキサーで混ぜ合わせました。
その後、コンクリートの性能が建設当時とほぼ同じであることを確認すると筒状の型枠に流し込み、鉄筋を差し込んでいきました。
作業にあたった女子学生は「福島が抱えている原発事故の問題に携わることができてうれしい」と話していました。
学生たちが再現したコンクリートは今後、原子力規制委員会と大阪大学が実施する熱を加えた際の変化を確かめる実験に用いられることになっています。