水揚げ急増のトラフグ 行動調べるため追跡装置をつけて調査

近年、水揚げ量が急増している福島県沖のトラフグの行動を調べようとトラフグに追跡装置をつけて海に放流する調査が去年に続いてことしも始まりました。

トラフグは、近年、福島県沖で急増していて、福島県内の去年の水揚げ量は36トン余りと過去最多になりましたが、繁殖場所などはよくわかっておらず、福島大学などが去年から生息域などの調査に乗り出しています。

9日は、福島大学の和田敏裕准教授らの研究グループのメンバーや、地元の漁協の関係者など10人が相馬市にある県の研究施設に集まりました。

そして、地元で捕獲されたトラフグ23匹に、水温と水深、それに位置情報を1分ごとに記録する小型の装置を取り付けました。

研究グループによりますと、去年の調査では、20匹放流しましたが、回収できた個体は千葉県沖でみつかった1匹にとどまりました。

トラフグは鋭い歯を持っていて、前回は、作業中のけがを防ぐため歯を切ったということですが、放流後、エサを十分に食べられず弱った可能性もあるとみて今回は歯を切らずに調査を行い、個体の回収率の向上を目指すということです。

装置を取り付けたトラフグは、市内の漁港に運ばれ岸壁から次々に海に放されました。

和田准教授は「みんな無事に戻って来るよう願いながら放しました。同様のヒラメの調査では最大20パーセント程度、回収できるというデータもあるので、結果を期待したい」と話していました。

調査用のトラフグの捕獲などに協力し、9日の放流にも立ち会った漁業者の石橋正裕さんは、「漁協としてもトラフグのブランド化を進めていますが、継続的に魚がとれる必要があります。資源を維持しながら効率のよい漁につなげるためにも今回のような調査は非常に重要なデータだととらえていて、結果に期待しています」と話していました。