大雨から2か月 いわき市の「白水阿弥陀堂」では紅葉始まる

いわき市を中心に福島県内に大きな被害をもたらしたことし9月の大雨から8日で2か月です。
紅葉の名所としても知られ、大雨でお堂や庭園が浸水したいわき市にある国宝の「白水阿弥陀堂」では、モミジやイチョウが色づき始め、訪れた人たちが秋の風情を楽しんでいます。

いわき市内郷白水町にある願成寺の「白水阿弥陀堂」は、平安時代末期に建てられた県内唯一の国宝指定の建造物で、紅葉の名所としても知られています。

ことし9月の記録的な大雨でお堂や庭園を含む境内全体が水につかり、一時拝観が中止されましたが、住職らが泥の撤去など復旧を進めて、先月1日から拝観の受け入れを再開しました。

庭園では、樹齢およそ400年の大イチョウやもみじが色づき始めていて、訪れた人たちが、平安絵巻を彷彿とさせる景色をじっくり眺めたりカメラに収めたりして楽しんでいました。

お堂の床下や庭園の池には泥がまだ残っていて、ことしは紅葉の時期にあわせた毎年恒例のライトアップは行われませんが、赤土隆行住職は、「これまで多くの人たちから激励の言葉をもらい大変ありがたいです。この地域で水害にあった人たちのためにもシンボルとして1日でも早く復旧できるように頑張りたい」と話していました。

「白水阿弥陀堂」の紅葉は、来月上旬ごろまで楽しめそうだということです。