9月の大雨で住宅浸水する被害 大学などのチームが現地調査

ことし9月の記録的な大雨で1700棟余りの住宅が浸水する被害が出た福島県いわき市で、市が依頼した東北大学などのチームが2日から現地調査を始めました。

調査を始めたのは、いわき市の依頼を受けた東北大学災害科学国際研究所や福島高専などのチームで、2日からは3人が5日間の日程で現地を訪れ、浸水の発生メカニズムや住民避難の実態を調べます。

初日の2日は、被害が最も大きかった内郷地区を訪れて、浸水した広い範囲を色で塗りつぶした地図を見ながら住民の代表などから当時の状況を聞き取りました。

東北大学災害科学国際研究所の柴山明寛准教授によりますと、川があふれる外水氾濫より雨水が排水できなくなって側溝などがあふれる内水氾濫が先に発生したとみられること、それに今回の浸水の深さが50センチほどだった過去の水害を上回ったことが確認できたとしています。

現地調査は、ほかのメンバーも含め今後も実施して、報告書を今年度中に市に提出する計画で、市は結果を避難所の見直しや地域防災計画に反映させる方針です。

調査を行った柴山准教授は「内水氾濫と外水氾濫のどちらが先に発生するかで逃げる方向も変わるので、内水氾濫が先だと分かったことは大きい。避難意識や防災力をどう上げていけるか分かりやすく示した自主防災活動に生かせる資料をまとめていきたい」と話していました。