南相馬市のメーカー 高い放射線にも耐える小型カメラを開発

南相馬市に事業所をおく光学機器メーカーが極めて高い放射線にも耐えられる特殊な小型カメラを開発し、東京電力福島第一原発2号機で行われる格納容器の内部調査の事前の作業で採用されることになりました。

カメラを開発したのは、南相馬市に事業所を構える光学機器メーカー「マッハコーポレーション」です。

人工衛星に搭載するカメラの製造を手がけてきたノウハウを、福島第一原発の廃炉に役立つ製品作りに生かそうと、JAXA=宇宙航空研究開発機構とともに高い放射線量に耐えられるセンサーを開発しました。

このセンサーを搭載したカメラの性能試験では、核燃料が溶け落ちた福島第一原発の格納容器の内部を想定した極めて高い放射線量に4週間近くさらしても、映像の見え方がほとんど変わらないデータが得られたということです。

この性能が評価され、福島第一原発2号機で今年度後半に計画されている燃料デブリの試験的な取り出しに先立って行われる格納容器の内部に通じる配管の堆積物を除去する作業でカメラが採用されました。

堆積物の除去装置に4台が搭載され、このうち3台は配管の内部に挿入される予定で、作業員がカメラがとらえた映像を見ながら装置を遠隔操作する計画です。

福島第一原発でこれまでに行われた格納容器の内部調査では放射線の影響でカメラが長時間使えないなどの課題があり、このカメラが、廃炉の重要な役割を果たすと期待されています。