クマ対策で関係省庁が緊急会議 専門家を派遣し支援強化へ

クマによる被害が過去最悪となっていることから、環境省や農林水産省などの関係省庁が緊急の会議が開き、クマ対策の専門家を自治体に派遣して、助言や指導を行うなどの支援を強化することを明らかにしました。

31日、開かれたクマ対策の緊急の会議には、環境省と農林水産省などの関係省庁の担当者、それにクマの生態に詳しい専門家が参加しました。

環境省がまとめた今年4月から9月までのクマによる被害の人数は全国で109人と過去最悪となっていて、10月に入っても東北地方を中心に被害が相次いでいます。

クマが冬眠する12月まで最大限に警戒が必要だとして、環境省は国のデータバンクに登録している大学教授などの専門家を自治体に派遣し、対策についての助言や指導を行うことを明らかにしました。

また、クマの生態に詳しい専門家の東京農業大学の山崎晃司教授がクマ被害が相次ぐ背景について、▽ハンターなどのクマが脅威とする存在が減った影響で人を恐れなくなり、市街地に侵入するようになった可能性があることや、▽去年とことしの秋にクマが餌とするミズナラやコナラなどが不足したことが被害の引き金になっていると指摘しました。

そして、人の生活地域につながる経路にクマの侵入を防ぐ電気柵を設置するなどの対策が必要だとしています。

環境省は今後、専門家の助言や自治体のニーズを聞き取り、対策にかかる費用を補助することにしています。