帰還困難区域から自転車を放射能濃度測定しないで無断持ち出し

東京電力福島第一原発事故の帰還困難区域で、環境省がゼネコンに発注した大熊町のホームセンターの解体工事現場から商品の自転車が放射能濃度の測定をしないまま無断で持ち出されていたことが分かりました。
自転車はすでに回収されたということですが、帰還困難区域内の建物の解体工事を巡っては、作業員が現場から鉄などを持ち出す窃盗事件も起きていて、環境省は、再発防止策を検討しています。

環境省によりますと、福島第一原発事故の帰還困難区域内からの無断での持ち出しが発覚したのは、除染で出た廃棄物などを保管する大熊町の中間貯蔵施設の区域内にあったホームセンターの解体工事現場です。

環境省がゼネコンに発注してことし3月から作業が行われましたが、発注先のゼネコンが行った調査でホームセンターの商品だった子ども用の自転車2台が下請け業者の作業員によって放射能濃度の測定をしないまま無断で持ち出されていたことがわかったということです。

調査に対し、持ち出した作業員は「知人にあげるために持ち出した」と説明したということで、自転車は2台ともすでに回収したということです。

帰還困難区域内の建物の解体工事を巡っては、ことし5月、大熊町の別の現場で作業員4人が鉄などを持ち出したとして窃盗の疑いで逮捕される事件も起きていて、環境省は、再発防止策を検討しています。