福島第一原発の廃液トラブル 作業員2人は防水カッパ着用せず

東京電力福島第一原発にある汚染水の処理設備を洗浄していた作業員に放射性物質を含む廃液がかかったトラブルで、病院に入院して除染を続けている2人の作業員は、防水性のあるカッパを現場で身につけていなかったことがわかりました。

25日午前、福島第一原発にある汚染水の処理設備で行われていた配管の洗浄作業中に、放射性物質を含む廃液をタンクに流すためのホースが外れ、廃液が現場の作業員にかかりました。

当時、5人が作業に当たっていて、いずれも防護服と全面マスクを着用していましたが、全身で汚染が確認された20代と、下半身と両手に汚染が確認された40代の2人は、現場の除染では放射能量の値が一定のレベルを下回らず、放射線による急性の障害はないものの、福島県立医科大学附属病院に入院して除染を続けながら経過の観察が行われています。

その後、東京電力がトラブルが起きた状況を調べたところ、ホースの中にたまっていた、洗浄の過程で発生したガスが勢いよく噴出された衝撃で、ホースの先端がタンクの中から飛び出し、廃液が飛散したとみられることが分かりました。

また、2人の作業員は、当時、防水性のあるカッパを身につけずタンクの監視業務にあたっていて、飛散した廃液が防護服にしみて皮膚が汚染されたとみられています。

カッパの着用について明確なルールはなく、協力会社の判断に委ねられていたということですが、東京電力は26日の会見で、今回の作業中には着用するべきだったとの考えを示しました。

東京電力は、廃炉の現場で定められた作業のルールを徹底するよう、あたらめて周知し再発防止を徹底するとしています。