福島 クマのエサとなるブナの実「凶作」人里近く出没に警戒を

クマのエサとなるブナの実の生育状況を福島県が調べたところ、ことしは「凶作」であることがわかり、県はクマが冬眠前にエサを求めて人里近くに出没するおそれが高まっているとして警戒を呼びかけています。

福島県は、毎年秋にクマのエサとなるブナの実などの実り具合を調べていて、ことしの調査結果を26日発表しました。

特にクマが好むブナの実について県内21か所で調査したところ、3年ぶりに実りが悪い「凶作」の傾向で、地域別では、中通りが「大凶作」、会津が「凶作」だったということです。

これとは別に調査したミズナラとコナラについては、全体的に「並作」でしたが、いずれも会津では「凶作」でした。

警察のまとめによりますと、県内のクマの目撃件数は25日までに562件と、去年の同じ時期に比べて1.5倍ほどに増えているほか、クマに襲われてけがをした件数は13件にのぼり、過去10年で最悪のペースになっています。

県は先月、会津と中通りに「ツキノワグマ出没警報」を出していましたが、クマが冬眠前にエサを求めて人里近くに出没するおそれが高まっているとして、改めて警戒を呼びかけています。

特に山林に入る際は複数で行動することや、クマ鈴やラジオなど音の出るものを身につけて人の存在を知らせることを徹底すること、万が一、クマと遭遇した場合は目を離さずゆっくりと後ずさりしてその場を離れてほしいとしています。