県 処理水放出後初の精密分析結果公表 放出前とほぼ同じ濃度

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出後としては初めて福島県が周辺の海水のトリチウム濃度の精密な分析を実施したところ、放出前とほぼ同じ濃度だったことがわかり、県は「人や環境への影響がないことを確認した」としています。

県は、原発事故の前から福島第一原発周辺の海水のモニタリング調査を6か所で行っていて、処理水の放出に向けた工事などが本格化した昨年度からは9か所に増やし、定期的に、調査結果を公表してきました。

これとあわせて、分析に1か月余りをかけたより精密な調査も実施していて、23日、処理水の放出が始まった後の先月3日に採取した海水のより詳しい分析結果を公表しました。

それによりますと、9か所のトリチウムの濃度は1リットルあたり0.06から0.63ベクレルの範囲で、放出前の1リットルあたり0.1から1ベクレル程度と、ほぼ同じだったということです。

県はこの結果について、「人や環境への影響がないことを確認した」としています。

県は引き続き、精密な調査を月1回、通常の調査を週1回行い、放出に伴う影響を監視するとしています。